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なぜシステム開発は予定通りいかないのか?(その2)


 システム開発が失敗する1つの要因に「システムの要求仕様決定時、問題点の洗い出しが不十分」があります。
 問題点の洗い出しが不十分になる要因は以下のとおりです。

 1)発注側に問題がある場合。
  ・発注側の内部で求めるシステムの要件が十分議論されていないため、要求仕様を決定   するときに必要以上に時間が取られてしまったり、肝心な部分が曖昧なまま開発をス   タートさせてしまう。
  ・発注側の担当者が不慣れなために、受注側に対して十分な情報提示ができない。
  ・発注側の無理解の為に、受注側からの最適な提案が受け入れられない場合。
  ・発注側の一方的な提案を受注側が安易に受け入れてしまう場合。

 2)受注側に問題がある場合。
  ・発注側担当者の能力不足のため、システム開発に必要な要件を十分聞き出せない。
  ・受注側担当者が発注側担当者のの考えについて誤解する場合
  ・発注側からの要求事項を受注側内部でロスしてしまい、その要求事項が仕様に盛り込   まれなかった場合
 3)その他
  ・開発対象のシステムについての詳細を詰めて行く際、何らかの原因で必要な特殊処理   についての情報を取りこぼしてしまう場合。
  ・開発期間を無理やり短縮するために、十分な洗い出しを行えないうちに開発を進めて   しまった場合
  ・受注側が多重請負構造になっているため、実際にシステムを設計する会社と要求仕様   を作成する会社が違うことにより、設計上必要な情報が担当側に伝わらない場合。

 上記のようなことが起きれば、たいていの場合、開発の終盤になって初めて、仕様のミスが発覚し、追加の修正やひどい場合には、全体を見直さなければならない事態が発生する場合があります。
 日本のように大手Slerが受注し、要求仕様まで決定した後に下請けに開発を任せたりする場合特に大きな問題が発生する可能性があります。
 特に2次請け、3次請けの場合、何らかの疑問が生じても、元請けに対して頻繁に質問ができない環境の場合、疑問を引きずったまま開発を始めてしまい、結局最後の段階でそれが重要な問題を含んでいたことが発覚し、大きな問題を引き起こしてしまう場合があります。

 上記のような問題を発生させないまたは、最小限に発生を抑える方法については、次回のブログで!